【要約・感想】未来の年表 | 人口減少日本でこれから起きること【ビジネス書】

人口減少

TONA
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こんにちは!TONAです。


今回紹介するのは、『未来の年表』です。
副題は、「人口減少日本でこれから起きること
著者は、河合雅司さんです。

河合雅司さんは、人口減少対策総合研究所理事長、各大学の教授を歴任し、新聞社の論説委員、
厚労省や農水省の各有識者会議委員も務めています。

この書籍を読んだ後の、正直な感想は「ビジネス」でも役に立つし、
これからの日常生活を送る上での見識を得ることができるという点です☑️

そして、いろいろな「防衛策」を練ることが出来るというのがミソです。
つまり、「リスクマネジメント」ができるということですね。

自分では、特に「不動産」のケースで先見の明を養うことが出来ました。

読み始めた当初は、少し「鬱々」な気分でしたが
読み進み、次第に慣れてくるにつれて、「ああ、そういうことね」という風に
腑に落ちるときが、多々あります。

そんな「未来の年表」の

第1部、人口減少カレンダー

🔹【2030年】百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える
🔹【2033年】全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
🔹【2040年】自治体の半数が消滅の危機に

に絞って紹介します。

【2030年】百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える

国土交通省の「国土のグランドデザイン2050」(2014年)が、
三大都市圏を除いた地域において主なサービスごとに立地に必要な需要規模を、
「存在確立50%」と「存在確立80%」という形で計算しています。

「存在確立50%」とは、その人口規模を下回ると、
廃業や撤退するところが出てくるラインです。
逆に「存在確立80%」とされる人口規模であれば、ほぼ存在し得る。
(サービス施設が立地する自治体の規模として本書の図にて詳しい説明あり)

内閣府の報告書「地域の経済2016」は、これらのデータベースに、
三大都市圏を除いた自治体のうち、今後の人口減少の影響でどのようなサービスの立地が
厳しくなるのかを計算している。

具体的には、2010年時点の人口規模ならば
サービスの存在確立が50%以上だった自治体のうち、
2040年には存在確立が50%を割って店舗や施設の撤退が始まる自治体の
割合を予測しているのですが、大きな需要規模を必要とする百貨店は
38・1%の自治体で立地が難しくなります。

大学は24・5%、有料老人ホームは23・0%で存続できなくなる可能性が出てくる。
救急告示病院(18・3%)やハンバーガー店(22・7%)、
公認会計事務所(19・5%)、税理士事務所(18・3%)などは
約20%の自治体で存続できなくなる可能性があると推計しています。

自分の感想として、新聞各紙の報道を紐解くと
こういう流れになっていくのでは、と実感しています。

地方の百貨店はすでに撤退が相次ぎ
地銀は、大胆な再編は余儀なくされるでしょう。

コロナの影響で、
老人ホームや居宅支援事業所なども、縮小や見直しが進んでいます。

大変な時代になってきたと、肌で感じています。

【2033年】全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる

跡継ぎのいない人の家は、いずれ住人がいなくなります。
総務省の「住宅・土地統計調査」(2013年)によると、
全国の空き家は現在820万戸に上り、過去最高を記録。

総住宅数6063万戸の13・5%を占めており、
7~8軒に1軒は誰も住んでいないということです。

野村総合研究所の試算(2016年)によれば、
2033年の総住宅数は約7126万戸へと増大し、空き家数は2167万戸弱
空き家率30・4%にまで上昇するという。
(本書に野村総合研究所の具体的な表とグラフがあります)

空き家数が増大すれば、景観が悪化するだけでなく、倒壊の危険が増し
犯罪も誘発します。廃墟ばかりの殺伐とした区域が広がれば、
街全体のイメージが悪くなり、住民の流出も加速します。

やがて地域社会全体が崩壊することにもつながります。

個人的な感想として、このチャプターがとても印象に残っています。
不動産関連の職業のかたは、必見だと思います。

【2040年】自治体の半数が消滅の危機に

2017年4月1日時点で、秋田県の人口が100万人を割り込みました。
2040年までに、全国の自治体の半数が将来的な「消滅」の危機にさらされます。

民間有識者でつくる「日本創生会議」の人口検証問題分科会が2014年に
公表した将来推計の結果に日本中が大騒ぎしたことは記憶に新しいですね。

県庁所在地である「青森市」や「秋田市」まで消滅の対象とされています。
分科会の推計では、「消滅」の可能性がある自治体は896にのぼり
2040年時点で人口が1万人を切る523の自治体は、
その可能性が大きいと言われています。

個人的な感想として、自治体の職員の皆様は、本書を活用して取り組むべき課題が
たくさんあると思います。

『未来の年表』まとめ

本書は、第1部に「人口減少カレンダー」として、
2017年から、2065年までを「20」にまとめ
それを「年単位」で個別に詳しく説明されています☑️

さらに2017年から、
2115年までの「34」つのカレンダーが付録として閲覧できます。

そして、第2部では【日本を救う10の処方箋 次世代のために、いま取り組むこと】として
戦略的に縮む」「豊かさを維持する」「脱、東京一極集中」「少子化対策」の
4つのパートに分けて、著者の提言が唱えられています。

日本の人口減少は、日本国家にとって由々しき問題なので
個々一人ひとりが問題意識をもって取り組むべき課題だと思います。

興味を持たれた方は、本書を手に取って実際に読んでみましょう。

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