アルパチーノといえば、主演の「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」が
個人的に大好きです。
人によっては、”ゴッドファーザー”を強く推す人もいますが
感受性が人一倍強いわたしに言わせれば、
この作品の右に出るものはありません。断言します。
当時20代前後の多感な時期にこの作品に出会ったわたしは、
とても幸せだと思っています。
胸に熱くこみ上げてくるものがあります。
何故か?それは、Wikiで年齢を確認したら80代になっているんですね。
気づいたら、時代が少しずつ前に進んでいるんです。
アルパチーノさん、「コロナ」大丈夫かな??
では、行ってみましょう。
目次
盲目の退役軍人と、青年との出会い(運命的な出会いはありますか?)
![](https://trig-trigger.com/wp-content/uploads/2021/07/2021-07-25-4-.jpg)
名門の高校に通う苦学生のチャーリーは高校の感謝祭を迎えて、
”オレゴン”に帰郷する旅費を稼ぐための「アルバイト」をする。
そのアルバイトの内容は、
盲目の”退役軍人”のスレーダー中佐の「見守り」をする役目だった。
当初はそのような役回りだったが、スレーダー中佐の強い要望により
ニューヨークへの「旅のお供」にさせられる。
つまり、チャーリーを「盲導犬」としての扱いだ。
そして”盲導犬”のチャーリーに対して、忠実な扱いをさせるようにする。
スレーダー中佐を介助しようとするチャーリーに
「お前は目が見えないのか?」
「決して俺にさわるな、俺がお前につかまる」と
『主と従の関係』を徹底させようとする。
そのようなドタバタで「ニューヨーク」への
チャーリーとスレーダー中佐の『旅』が始まる
盲人と美しい女性とタンゴ(大切なものは瞳に映りますか?)
![](https://trig-trigger.com/wp-content/uploads/2021/07/2021-07-10-5.jpg)
ニューヨークに着いてから、スレーダー中佐の「兄」の家で一騒動を起こします。
ここら辺は割愛しますが、とても「人間味」が溢れる設定になっていて
スレーダー中佐と兄の家族との「やり取り」がとてもオモシロイです。
その後、レストランで休憩します。
すると、若い美しい女性が一人で退屈そうにしてるので
スレーダー中佐が「声」をかけます。
その女性は、待ち合わせの相手を待っているとのことでした。
その間、”タンゴ”を踊らないか?
と、スレーダー中佐は提案します。
若い女性は、「間違うのが、こわい」と拒みます。
スレーダー中佐は、
「タンゴはシンプルだ。シンプルなとこが素晴らしい。
そして、人生と違って間違わない
足が絡んでも、踊り続ければいい」
と、印象的なセリフを残しています。
そして、大きなフロアで見事に女性を「リード」して
タンゴを踊って演じきります。
この作品で、特に印象に残っているのは女性に対する「詩的」な表現です。
その中には、芸術的な言い回しがあったり、
『香水の匂い』で比喩してみたり、ときには目を覆いたくなるような発言もあります。
それは、総合的に女性というものに対しての
「リスペクト」であると、
わたしは判断して、そして理解したいです。
ピストル自殺未遂(絶望とは何ですか?)
![](https://trig-trigger.com/wp-content/uploads/2021/07/2021-07-10-3.jpg)
スレーダー中佐は、この作品でピストル自殺を図ります。
ニューヨークの旅の日程を一通り終えて、本来の
スレーダー中佐の最終的な「目標」を果たそうとします。
(具体的な時系列は、本作品を御覧ください)
しかしそれを、チャーリーが未遂の方向性に終わらせます。
(ここら辺は、センシティブな内容なので個々人の解釈でお願いします)
特に印象に残っているセリフは、
スレーダー中佐が、ここまで生きてこれたのは(心の支えになっていたのは)
「いつの日か、女性の腕が自分に巻きついていて、足も巻きついてる。
そして朝、目が覚めても彼女はまだ自分の横に(側に)いる」
と、自分の胸の内を明かしています。
本作品の副題『夢の香り』は、スレーダー中佐の”心の奥”も表現しているのですね。
映画史に残る大演説(生きるとは?)
![](https://trig-trigger.com/wp-content/uploads/2021/07/2021-07-10-8.jpg)
個人的に印象に残り、かつ特に大事な部分(名言)をまとました。
スレーダー中佐は、演説で述べます。
「潰れた魂に義足は付かない」
チャーリーは、
「自分の得のために友達を売る奴じゃない」
「それが人間の持つ高潔さだ」「勇気だ」
「指導者が持つべき資質はそれだ」
チャーリーは、困難な選択肢をとった。
そして、それが『真の人間を形成する信念の道』だ
「彼の旅を続けさせてやろう」
「彼の未来は君ら委員の手中にある」
『潰さずに守ってやってくれ、愛情を持って』
”いつか それを誇れる日がくる”
会場から拍手が沸き起こります。
演説が終わり、校舎を後にする、チャーリーとスレーダー中佐に
女性の委員の一人が、駆け寄ります。
スレーダー中佐の演説に”感謝”を述べにきました。
「フルール・ロカーユ」では?
スレーダー中佐は、香水の匂いを挙げます。
女性は「そうです」
『岸辺の花』
スレーダー中佐は何かを感じ取ったのかも知れません。
「これで、いつでもあなたをさがせます」
男性と女性の「ココロ」に新しい芽吹きが起こります。
『恋』はいいものです^^
『フーア!』← 作品を鑑賞した人は「深い意味」分かりますよね。
セント・オブ・ウーマン まとめ
作品全体を通して、徹底した「ヒューマニズム」な
あたたかい側面を必ず描写しています。
”人間の本来あるべきもの”を、原点に還って教えてくれるようにも感じます。
良い作品は、何回観ても学べるものがありますね。
これが、アカデミー賞を受賞させる作品に横たわる「雰囲気」であり
気品ある「佇まい」であるように感じます。
セント・オブ・ウーマンは、アカデミー主演男優賞、
ゴールデングローブ賞では、主演男優賞、作品賞(ドラマ部門)脚本賞(ドラマ部門)を
獲得しました。
本作品は、
で配信されています。